この記事の答え
違いの軸は「どの範囲の仕事を担うか」です。厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)は、一般事務の解説の中で両者を直接対比し、一般事務は各部署で定型的な業務にあたることが多いのに対して、総務事務は社内全体の設備・備品の管理、社内行事の企画・運営、社内ルールの策定・周知等にあたることが多いと説明しています。ただし、企業によって部署名や仕事の範囲は異なり、重なる部分もあるため、職種名だけで判断せず、求人に書かれた業務内容で確認する必要があります。
この記事の要点
- 一般事務は各部署で定型的な業務にあたることが多く、総務事務は社内全体の設備・備品の管理や社内ルールの策定・周知等にあたることが多い(job tagの対比記述)
- 総務事務の担当には、株主総会・取締役会の準備・運営、建物・設備などの固定資産の管理、事務所の契約やリースなどが含まれる
- どちらも入職にあたって特に学歴や資格は必要とされない。総務事務は一定以上の社内での勤務経験があると役に立つとされる
- 配属先配属先が各部署なのか総務部門なのか
- 扱う対象扱う対象が伝票やデータなどの定型処理なのか
- 会社全体に関わる事柄設備・備品の管理、社内規定の策定、会議や行事の運営といった会社全体に関わる事柄なのか
1. 結論 :各部署の 定型業務か、 会社全体に 関わる 仕事か
一般事務は、特定の分野の事務を専門的に行うものではなく、様々な定型的な事務の仕事を行う職業です。job tagは「庶務」と呼ぶ場合もあると説明し、主に規則、業務手順書、社内手続などによって定められた定型的な事務作業に従事するとしています。
総務事務は、文書の分類・整理・保管、建物・設備などの固定資産の管理、株式関連、株主総会・取締役会の準備・運営など、組織全体に関係する仕事に従事する職業です。job tagの一般事務の解説は、総務事務について「社内全体の設備・備品の管理、社内行事の企画・運営、社内ルールの策定・周知等にあたることが多い」と対比し、「総務課」などの独立した部署が設けられる場合もあるとしています。
- 一般事務=配属された部署の中で、手順の決まった事務処理を担う
- 総務事務=会社全体を対象に、設備・規定・会議・行事などを担う
- 対比はjob tag自身の記述によるもの。ただし会社によって範囲は異なる
2. 一般事務の 仕事:書類を 作り、 集計し、 点検・管理する
一般事務の事務作業は多種多様ですが、job tagは、文書の作成や整理、メールでの応対、発注伝票や受注伝票の作成と管理、各種台帳の管理、生産量や売上高などのデータの入力、社内の各種届出書類の管理などを例示しています。そして一般事務の仕事は、書類を作る、数量や金額を集計・計算する、社内で使用する書類等の点検・管理を行うことが中心になると整理しています。文書の作成や集計ではパソコンを使い、コピー機やFAXなどの事務機器に接することも多い仕事です。
このほか、郵便物の発送・仕分け、物品の受取り、電話の取次ぎ、事務用品など社内で使用する消耗品の補充といった細々とした仕事を受け持ち、来客への対応やお茶だしなどをすることもあります。労働条件については、契約社員、パートタイマー、派遣社員の占める割合が高いこと、就業時間は規則的なことが多く基本的には残業が少ないことが多い一方で、月末など伝票や文書の締め切りが集中する時期には残業をすることもある、とjob tagは説明しています。
- 中心は文書作成、伝票・台帳の管理、データ入力、集計・計算、書類の点検・管理
- 郵便物の仕分け、電話の取次ぎ、消耗品の補充、来客対応などの細かな仕事も範囲内
- 契約社員・パートタイマー・派遣社員の割合が高いとされる
3. 総務事務の 仕事:設備・規定・会議・行事を 会社全体で 担う
総務事務は、社内外から寄せられる問い合わせや電話対応にはじまり、社内会議、役員会、株主総会の招集・運営、議事録の作成まで幅広く担当します。事務所の契約やリース、設備・施設の保全・管理、様々な文書・契約書の作成・保管も担当範囲です。さらに、社内規定や社内ルールの作成や改定と、社員への周知徹底は、総務事務の重要な役割とされています。
加えて、防災訓練や社員旅行、社内報の作成・配布、社員の慶弔関連行事の手配や運営といった、全社にまたがるサービスやイベントの企画・実行が業務範囲に入る場合があります。人事異動の際には、異動対象者に住宅情報を提供したり契約の手配をしたり、異動先の交通機関や学校・病院などの環境情報を調査して提示・紹介する場合もあります。一日の業務の例としては、社員の問い合わせ対応、勤務表のチェック、各種手続き書類のチェック、支店や営業所など拠点への発送物の準備、国内外の出張の手配などが挙げられています。
- 株主総会・取締役会・役員会の招集・運営と議事録の作成が含まれる
- 事務所の契約・リース、設備・施設の保全・管理、固定資産の管理を担当する
- 社内規定・社内ルールの作成・改定と周知は「重要な役割」と明記されている
4. 重なる 部分:どちらにも 「庶務係」は あり、 会社で 範囲が 変わる
注意したいのは、両者はきれいに分かれるわけではないことです。job tagの一般事務の解説自体が「一般事務と似た仕事として総務事務がある。企業によって部署名、仕事の範囲は異なるが、重なる部分もある」と明記しています。実際、どちらの職業の別名にも「庶務係事務員」が含まれており、一般事務の別名は「庶務係事務員(一般事務の仕事に従事するもの)」、総務事務の別名は「庶務係事務員(総務事務の仕事に従事するもの)」です。つまり「庶務」という呼び名だけでは、どちらの仕事かは決まりません。
そのため求人を選ぶときは、職種名ではなく業務内容の記述を確認することが大切です。確認の観点は、配属先が各部署なのか総務部門なのか、扱う対象が伝票やデータなどの定型処理なのか、設備・備品の管理、社内規定の策定、会議や行事の運営といった会社全体に関わる事柄なのか、という点です。総務事務の勤務地は企業の本社が置かれている都市部に多いとされ、年度末など定例の人事異動期や株主総会の前後は残業が多くなることもあるとjob tagは説明しています。
- job tag自身が「重なる部分もある」と明記している
- 「庶務係事務員」は両方の別名にあるため、呼び名では判別できない
- 求人では職種名より、配属先と業務内容の記述で確認する
5. 就く ための 条件:資格 不要は 共通、 総務は 社内経験が ものを いう
入職の条件は共通点が多く、どちらも、就くにあたって特に学歴や資格は必要とされません。一般事務の中途採用は、ハローワークや求人サイト等を経由して入職するほか、人材派遣会社などに登録・入社し、派遣先の企業や団体で働く場合もあります。補助的な業務から始めて経験を積み、事務処理能力を向上させていくのが基本の流れです。関連資格としては「ビジネス・キャリア検定」「コンピュータサービス技能評価試験」「秘書検定」「マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)」などがあり、取得すると仕事に役立つことが多いとされています。求められるのは、定型的な仕事が多いため、正確さ、注意力、几帳面さです。
総務事務は、新卒採用と同時に配属されるケースもありますが、現場や技術、営業、企画などに配属され、いくつかの仕事を経験してから総務事務に配属されることもあります。企業内の様々な部門との交渉があり、提案や依頼への速やかな対応が求められるため、一定以上の社内での勤務経験があると役に立つとされます。仕事に役立つ資格として第一種衛生管理者、日商簿記2級、第三種電気主任技術者、防火管理者などが挙げられますが、いずれも入社前に取得することは求められておらず、入社後に企業の研修制度などを利用して取得する場合が多いとされています。また、担当として社内で発生する様々な問題に対応するには、少なくとも3年程度の経験が必要とされています。
- どちらも学歴・資格は入職の必須条件ではない
- 一般事務は派遣社員としての働き方もあり、補助的な業務から経験を積む
- 総務事務は他部署での勤務経験が役に立ち、役立つ資格は入社後に取得する場合が多い
執筆・確認情報
- 執筆
- manapick career編集部
- 編集
- manapick編集責任者
- 出典台帳の記録日
- 2026-10-29
- 確認方法
- 公的資料と一次情報を出典付きで整理。自動監視による資料の変化検知と、本文の正確性の確認は区別します
参照した公式情報
- 厚生労働省 job tag確認日 2026-07-12/各社で職務範囲が異なる点を明記。
- 厚生労働省 job tag確認日 2026-10-29/2026-10-29にPrintAllページを実際に開いて全文確認。一般事務は特定の分野を専門とせず様々な定型的な事務を行う職業で「庶務」と呼ばれることもあること、総務事務との対比記述(重なる部分もある)を確認。統計は厚生労働省編職業分類対応の集計で、その職業のみの値とは限らない注意書きがある。
- 厚生労働省 job tag確認日 2026-10-29/2026-10-29にPrintAllページを実際に開いて全文確認。総務事務は文書の分類・整理・保管、固定資産の管理、株主総会・取締役会の準備・運営、社内規定の作成・改定と周知等を担うこと、役立つ資格は入社後の取得が多いことを確認。
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この記事の内容確認日:2026-10-29