manapick career
メニュー
ガイド一覧へ
職業の違い

弁護士と司法書士と行政書士、何が違うの? 登記・裁判・許認可は誰に頼む?

弁護士は法律事務全般を扱える唯一の資格、司法書士は登記・供託の手続代理と裁判所提出書類の作成が中心、行政書士は官公署へ提出する書類の作成が中心です。重なるように見える仕事も、法律で代理できる範囲がはっきり分かれています。

SHAREこの記事を共有する

内容を変えず、計測用URLだけを付けます。

目次を開く
  1. 01一言でいうと何が違うか
  2. 02できる仕事・できない仕事(独占業務)
  3. 03相談・依頼の場面でどう使い分けるか
  4. 04資格の取り方・試験の違い
  5. 05間違えやすい点と確認先
先に結論

この記事の答え

見分け方は「争いの代理人になれるか」「登記を代理できるか」「役所への書類作成が仕事か」です。弁護士は訴訟事件・非訟事件・行政庁への不服申立事件に関する行為その他一般の法律事務を行うことを職務とし(弁護士法第3条)、弁護士でない者が報酬目的で法律事務を業として扱うことは禁じられています(同法第72条)。司法書士は登記・供託手続の代理などが法定業務で、法務大臣の認定を受けた場合に限り、訴額140万円以下の簡裁事件などの代理も可能です。行政書士は官公署提出書類などの作成が独占業務で、提出手続の代理や作成相談も行いますが、登記や税務など他法で制限される書類は作成できません。

この記事の要点

  • 法律事件の代理・交渉など法律事務全般を業として扱えるのは弁護士だけ(弁護士法第3条・第72条)
  • 登記・供託の手続代理は司法書士の中心業務。簡裁の代理は認定司法書士のみ・140万円以下(司法書士法第3条、法務省説明)
  • 官公署へ提出する書類の作成は行政書士の独占業務だが、他法で制限される書類は作れない(行政書士法第1条の3、総務省説明)
数字で見る資格ごとの条件の数字
認定司法書士が代理できる事件の金額140万円以下
司法修習の期間1年間
行政書士試験の実施年1回

認定を受けていない司法書士はこの代理ができず、140万円を超える事件や地方裁判所の事件は弁護士の領域です。

SECTION 01

1. 一言でいうと何が違うか

弁護士は法律事務全般を扱う専門家です。弁護士法第3条は、弁護士は当事者などの依頼によって、訴訟事件、非訟事件、審査請求など行政庁に対する不服申立事件に関する行為、その他一般の法律事務を行うことを職務とすると定めています。裁判の代理人、相手方との交渉、法律相談まで、法律事件について金額や分野の制限なく代理できるのは弁護士だけです。

司法書士は登記と裁判所提出書類の専門家、行政書士は役所への提出書類の専門家です。法務省は司法書士の業務として、登記または供託に関する手続の代理、裁判所・検察庁・法務局へ提出する書類の作成などを挙げています。行政書士は、総務省の制度説明によれば、他人の依頼を受け報酬を得て官公署に提出する書類その他権利義務・事実証明に関する書類を作成することを業とします。

  • 弁護士=法律事件全般の代理・交渉・相談ができる
  • 司法書士=登記・供託の代理と、裁判所などへの提出書類の作成が中心
  • 行政書士=官公署への提出書類の作成と提出手続の代理が中心
SECTION 02

2. できる仕事・できない仕事(独占業務)

弁護士法第72条は、弁護士または弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件、行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して、鑑定・代理・仲裁・和解その他の法律事務を取り扱うことを業とすることができないと定めています。つまり司法書士や行政書士が扱えるのは、それぞれの法律で特に認められた範囲に限られ、それを超える法律事件の代理や交渉は弁護士の領域です。

司法書士法第3条第1項は、登記・供託手続の代理、法務局へ提出する書類の作成、登記・供託に関する審査請求手続の代理、裁判所・検察庁へ提出する書類の作成、それらの相談を司法書士の業務としています。行政書士については、総務省が、行政書士法第1条の3の書類作成業務は行政書士・行政書士法人でない者が対価を受けて業として行うことはできないと説明する一方で、業務を行うことが他の法律で制限されているものは行政書士も行えないと明記しています。登記申請書や税務申告書がその例です。

  • 相手方との示談交渉や訴訟代理を広く任せられるのは弁護士のみ
  • 不動産登記・会社登記の申請代理は司法書士の法定業務(弁護士も法律事務として扱える)
  • 許認可申請書の作成は行政書士。ただし登記・税務など他士業の独占分野は対象外
SECTION 03

3. 相談・依頼の場面でどう使い分けるか

土地や建物を買ったときの所有権移転登記、相続登記、会社設立の登記といった「登記を正確に済ませたい」場面は司法書士が中心です。法務省の業務説明でも、登記に関する手続には不動産の権利に関する登記申請のほか、会社・法人に関する登記申請手続が含まれるとされています。あわせて、訴状など裁判所へ提出する書類の作成を依頼することもできますが、その事件の代理人として交渉や法廷対応まで任せたい場合は、原則として弁護士への依頼になります。

飲食店の営業許可、建設業許可、在留資格の申請など「役所へ出す書類を作って提出したい」場面は行政書士が中心です。行政書士は書類の作成に加えて提出手続の代理や作成に関する相談も行います。一方、交通事故の示談交渉、離婚や相続で相手方と争いがある場合、行政庁への不服申立てで争う場合など「相手と争う・交渉する」要素がある相談は、最初から弁護士に相談するのが安全です。少額の金銭トラブルであれば、次の節で触れる認定司法書士という選択肢もあります。

  • 登記手続を済ませたい→司法書士、許認可の申請書を作りたい→行政書士
  • 相手方と争いがある・交渉や裁判の代理を頼みたい→弁護士
  • 書類作成のみか、代理まで必要かで依頼先が変わる
SECTION 04

4. 資格の取り方・試験の違い

弁護士になるには司法試験に合格し、司法修習を終える必要があります。最高裁判所の説明では、法曹となるには原則として法科大学院を修了した後、司法試験に合格し、1年間の司法修習を終えることが必要で、司法修習の最終試験に合格して判事補・検事・弁護士となる資格が与えられます。司法試験の受験資格は法科大学院課程の修了か司法試験予備試験の合格などに限られるため(法務省の司法試験Q&A)、三つの資格の中で最も入口が限定されています。司法修習を終えた者は弁護士となる資格を有すると弁護士法第4条も定めています。

司法書士試験は法務省が実施する国家試験で、日本司法書士会連合会によれば年齢・性別・学歴に関係なく誰でも受験でき、筆記試験(憲法・民法・商法・刑法、登記法、供託法など)と、筆記合格者のみを対象とする口述試験で構成されます。行政書士試験は、総務省の説明によれば指定試験機関である一般財団法人行政書士試験研究センターが全国統一試験を年1回実施しています。なお行政書士には、弁護士・弁理士・公認会計士・税理士となる資格を有する者も登録資格を得られるなど、試験以外の資格取得ルートが法律に定められています。

  • 弁護士: 法科大学院修了か予備試験合格→司法試験→司法修習1年
  • 司法書士: 法務省実施の筆記・口述試験。受験資格の制限なし
  • 行政書士: 指定試験機関が年1回実施。他士業の有資格者にも登録ルートあり
SECTION 05

5. 間違えやすい点と確認先

最も間違えやすいのは「司法書士は裁判ができない」という理解です。法務省によれば、法務大臣の認定を受けた司法書士は、簡易裁判所で取り扱うことができる民事事件(訴訟の目的となる物の価額が140万円を超えない請求事件)等について代理業務を行うことができ、民事訴訟・支払督促・民事調停・裁判外の和解などの代理が含まれます。ただし認定を受けていない司法書士はこの代理ができず、140万円を超える事件や地方裁判所の事件は弁護士の領域です。「認定司法書士かどうか」と「金額が140万円以下か」の2点が分かれ目になります。

もう一つは「行政書士は契約書なら何でも作れる」という理解です。行政書士が作成できるのは官公署提出書類や権利義務・事実証明に関する書類ですが、総務省が明記するとおり、他の法律で制限されている書類は作成できませんし、契約の相手方と交渉したり法律事件の代理をしたりすることは弁護士法第72条の制限に触れます。資格ごとの業務範囲は、法務省の司法書士制度ページ、総務省の行政書士制度ページ、日本弁護士連合会や各連合会の公式説明で確認できます。

  • 認定司法書士は簡裁で140万円以下の事件などを代理できる(法務大臣の認定が条件)
  • 行政書士は書類作成の専門家で、交渉・訴訟代理はできない
  • 確認先: 法務省「司法書士の業務」「簡裁訴訟代理等関係業務の認定」、総務省「行政書士制度」

執筆・確認情報

執筆
manapick career編集部
編集
manapick編集責任者
出典台帳の記録日
2026-10-29
確認方法
公的資料と一次情報を出典付きで整理。自動監視による資料の変化検知と、本文の正確性の確認は区別します

参照した公式情報

  • 法務省 日本法令外国語訳データベース(弁護士法)確認日 2026-10-29/法令本文(日本語)を実際に開いて第3条・第4条を確認。
  • 最高裁判所確認日 2026-10-29/「司法修習」ページ本文で確認。
  • 法務省確認日 2026-10-29/「司法書士の業務」ページ本文で確認。
  • 法務省確認日 2026-10-29/「司法書士の簡裁訴訟代理等関係業務の認定」ページ本文で確認。
  • 日本司法書士会連合会確認日 2026-10-29/「司法書士試験情報」ページ本文で確認。
  • 総務省確認日 2026-10-29/「行政書士制度」ページ本文で確認。令和7年改正(令和8年1月1日施行)により業務規定が第1条の3・第1条の4に整理されている。

誤りにお気づきの場合は訂正窓口へお知らせください。過去の資料に基づく記事は、その時点の記録として案内します。

この記事の内容確認日:2026-10-29