この記事の答え
看護師は、傷病者への療養上の世話と診療の補助を行う国家資格です。助産師は助産と妊婦・新生児への保健指導、保健師は保健指導を業とします。三つの資格の業務は保健師助産師看護師法で定められており、保健師と助産師になるには、それぞれの国家試験に加えて看護師国家試験にも合格し、看護師の免許を受けることが前提になります。いずれも厚生労働大臣の免許がなければ業務を行うことはできません。
この記事の要点
- 看護師は療養上の世話と診療の補助、助産師は助産と母子の保健指導、保健師は保健指導が法定の業務
- 保健師・助産師の免許には看護師国家試験の合格も必要で、看護師資格が土台になる
- 各業務は有資格者以外行えず、保健師・助産師は看護師の業も行うことができる
- 看護師療養上の世話又は診療の補助
- 助産師助産又は妊婦、じよく婦若しくは新生児の保健指導
- 保健師保健師の名称を用いて、保健指導に従事すること
1. 結論 :業務は 法律で 分かれ、 保健師・助産師は 看護師資格が 土台
看護師・助産師・保健師はいずれも国家資格で、業務の内容は保健師助産師看護師法という一つの法律で定められています。看護師は傷病者への療養上の世話と診療の補助、助産師は助産と妊婦・新生児の保健指導、保健師は保健指導が、それぞれの業(仕事の範囲)です。三つの資格は似た名前でも、法律上の担当範囲が明確に区別されています。
もう一つの大きな特徴は、資格同士の関係です。保健師や助産師になるには、それぞれの国家試験に合格するだけでなく、看護師国家試験にも合格して看護師の免許を受けることが法律上の前提になっています。つまり三者は単純な並列ではなく、看護師資格を土台に、助産師・保健師が専門を積み重ねる構造になっています。
- 3資格の業務は保健師助産師看護師法で定められている
- 保健師・助産師の免許には看護師国家試験の合格も必要
- いずれも厚生労働大臣の免許による国家資格
2. 看護師の 業務:療養上の 世話と 診療の 補助
看護師は、保健師助産師看護師法第5条で「厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくはじよく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者」と定義されています。じよく婦とは出産後の女性のことで、看護師の対象には産後の女性も含まれることが条文から分かります。病院などの医療現場で患者に最も身近に関わる資格です。
この看護師の業務は、法律で保護されています。第31条第1項により、看護師でない者は、医師法や歯科医師法の場合を除き、第5条の業を行ってはならないとされています。あわせて第31条第2項では、保健師と助産師は看護師の業を行うことができると定められており、看護師業務が三資格の共通の土台であることが条文上も裏づけられます。
なお、看護師を含む三資格と准看護師には共通の制限もあります。第37条により、主治の医師又は歯科医師の指示があった場合を除き、診療機械の使用や医薬品の授与など、医師等が行わなければ衛生上危害を生ずるおそれのある行為はできないとされています。診療の補助はあくまで医師等の指示のもとで行われる、という位置づけです。
- 定義は法第5条:療養上の世話と診療の補助
- 看護師以外は原則として看護師の業を行えない(法第31条)
- 保健師・助産師は看護師の業も行うことができる
3. 助産師の 業務:助産と 母子の 保健指導
助産師は、法第3条で「助産又は妊婦、じよく婦若しくは新生児の保健指導を行うことを業とする女子」と定義されています。法律上、助産師は女性のみがなれる資格として定められている点が、看護師・保健師との違いの一つです。仕事の中心は、出産の介助(助産)と、妊娠中から産後にかけての母子への保健指導です。
助産師の業務には範囲の定めもあります。第38条では、妊婦、産婦、じよく婦、胎児又は新生児に異常があると認めたときは、医師の診療を求めさせることを要し、自らこれらの者に対して処置をしてはならないとされています(臨時応急の手当を除く)。また第39条では、業務に従事する助産師は、助産や保健指導の求めがあった場合は、正当な事由がなければこれを拒んではならないと定められています。
- 定義は法第3条:助産と妊婦・じよく婦・新生児の保健指導
- 法律上、助産師は女子のみを対象とする資格
- 異常を認めたときは医師の診療を求めさせる必要がある
4. 保健師の 業務:保健指導が 中心
保健師は、法第2条で「厚生労働大臣の免許を受けて、保健師の名称を用いて、保健指導に従事することを業とする者」と定義されています。看護師の「療養上の世話・診療の補助」とは異なり、病気の治療の場面よりも、健康の維持・増進に向けた指導が業務の中心として位置づけられている点が特徴です。
保健師の業務には、公的な位置づけも定められています。第36条では、保健師は、その業務に関して就業地を管轄する保健所の長の指示を受けたときは、これに従わなければならないとされています。また第35条により、保健師が療養上の指導を行う場合に主治医がいるときは、その指示に従わなければならないとされています。
- 定義は法第2条:保健師の名称を用いた保健指導
- 業務では保健所の長の指示に従う定めがある(法第36条)
- 療養上の指導では主治医の指示に従う(法第35条)
5. 資格の 取り方:看護師国家試験が 共通の 関門
免許の仕組みは法第7条に定められています。看護師は看護師国家試験に合格すれば免許を受けられますが、保健師は保健師国家試験と看護師国家試験の両方、助産師も助産師国家試験と看護師国家試験の両方に合格しなければ免許を受けられません。国家試験は法第18条により、厚生労働大臣が少なくとも毎年1回行うこととされています。
受験資格にも違いがあります。保健師・助産師の国家試験を受けるには、指定された学校や養成所で1年以上必要な学科を修めることが法律で求められます。厚生労働省の保健師国家試験の施行案内でも、受験資格として指定学校で1年以上保健師になるのに必要な学科を修めたことが示され、出願書類として看護師国家試験の合格証書の写しや看護師免許証の写しが求められています。保健師国家試験の科目は、公衆衛生看護学、疫学、保健統計学及び保健医療福祉行政論です。
- 保健師・助産師は各試験+看護師国家試験の合格が免許の条件
- 国家試験は厚生労働大臣が少なくとも年1回実施(法第18条)
- 保健師・助産師の受験には指定学校等で1年以上の修学が必要
執筆・確認情報
- 執筆
- manapick career編集部
- 編集
- manapick編集責任者
- 出典台帳の記録日
- 2026-10-29
- 確認方法
- 公的資料と一次情報を出典付きで整理。自動監視による資料の変化検知と、本文の正確性の確認は区別します
参照した公式情報
- 厚生労働省確認日 2026-10-29/厚生労働省が公開する保健師助産師看護師法(昭和23年法律第203号)の全文テキスト。2026-10-29に第2条・第3条・第5条・第7条・第12条・第17条〜第21条・第29条〜第31条・第35条〜第39条を実際に開いて確認。
- 厚生労働省確認日 2026-10-29/厚生労働省「資格・試験情報」の保健師国家試験の施行ページ(令和8年8月3日付け、第113回の施行案内)を2026-10-29に実際に開いて確認。回次・日程は年度で変わるため、本文では科目・受験資格・提出書類のみを使用。
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この記事の内容確認日:2026-10-29