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職業の違い

臨床工学技士と臨床検査技師の違い|生命維持管理装置の操作・保守点検か、検体・生理機能の検査か

臨床工学技士と臨床検査技師は、どちらも国家試験に合格して厚生労働大臣の免許を受ける国家資格ですが、法律が割り当てる担当は分かれています。臨床工学技士は臨床工学技士法に基づき、医師の指示の下に、呼吸・循環・代謝の機能を代替又は補助する生命維持管理装置の操作と保守点検を行います。臨床検査技師は臨床検査技師等に関する法律に基づき、検体検査と生理学的検査を行います。装置を扱う側と、検体と計測を扱う側という違いを、主に臨床工学技士法の条文で整理します。

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目次を開く
  1. 01結論:患者につながる装置を扱うか、検体と生体の計測を扱うか
  2. 02臨床工学技士の業務:生命維持管理装置の操作と保守点検
  3. 03臨床検査技師の業務(要約):検体検査と生理学的検査
  4. 04資格の仕組み:臨床工学技士は学びの組合せルートが複数ある
  5. 05間違えやすい点と選び方の目安
先に結論

この記事の答え

違いの軸は「何を扱うか」です。臨床工学技士は、臨床工学技士法に基づく国家資格で、厚生労働大臣の免許を受け、医師の指示の下に生命維持管理装置の操作と保守点検を行うことを業とします。生命維持管理装置とは、人の呼吸、循環又は代謝の機能の一部を代替し、又は補助することが目的とされている装置のことです。臨床検査技師は、臨床検査技師等に関する法律に基づく国家資格で、医師又は歯科医師の指示の下に、人体から排出され、又は採取された検体の検査と、厚生労働省令で定める生理学的検査を行います。つまり、患者につながれた装置を操作し安全に保つ側が臨床工学技士、体から得た材料と生体の計測を調べる側が臨床検査技師という分担です。

この記事の要点

  • 臨床工学技士の法定業務は、医師の指示の下に行う生命維持管理装置の操作(装置の先端部の身体への接続・除去を含む)と保守点検
  • 臨床検査技師の法定業務は検体検査と生理学的検査で、扱うのは人体から得た材料と生体の計測。装置の操作・保守点検は担当ではない
  • どちらも国家試験に合格して厚生労働大臣の免許を受ける国家資格。臨床工学技士の受験資格には、大学等で指定科目を修めた学びと養成所での修得を組み合わせるルートもある
図で見る臨床工学技士試験の受験資格ルート
  • 養成所3年のルート
  • 大学等で指定科目を修めた学びと養成所1〜2年を組み合わせるルート
  • 大学で指定科目を修めて卒業するルート
SECTION 01

1. 結論:患者につながる装置を扱うか、検体と生体の計測を扱うか

臨床工学技士は、臨床工学技士法(昭和62年法律第60号)が定める国家資格です。同法第2条第2項は、臨床工学技士を「厚生労働大臣の免許を受けて、臨床工学技士の名称を用いて、医師の指示の下に、生命維持管理装置の操作及び保守点検を行うことを業とする者」と定義しています。対象は装置そのもので、しかも患者の生命機能に直接関わる装置に限られます。

臨床検査技師も国家資格ですが、根拠法は臨床検査技師等に関する法律で、担当は検体検査と生理学的検査です。同じ病院の中で働いても、法律上の持ち場が「装置」と「検査」で分かれています。本記事では臨床工学技士側を中心に説明します。

  • 臨床工学技士=生命維持管理装置の操作と保守点検、臨床検査技師=検体検査と生理学的検査
  • どちらも国家試験に合格して厚生労働大臣の免許を受ける国家資格
  • 指示の出し手は、臨床工学技士は医師、臨床検査技師は医師又は歯科医師と定義が異なる
SECTION 02

2. 臨床工学技士の業務:生命維持管理装置の操作と保守点検

臨床工学技士法第2条第1項は、「生命維持管理装置」を「人の呼吸、循環又は代謝の機能の一部を代替し、又は補助することが目的とされている装置」と定義しています。臨床工学技士の操作には、装置の先端部を患者の身体へ接続したり、身体から除去したりする行為のうち政令で定めるものも含まれます(同条第2項)。患者に装着された状態の装置を動かすところまでが、定義の中に入っている点が特徴です。

業務の範囲は第37条にも定めがあります。臨床工学技士は、診療の補助として生命維持管理装置の操作を行うほか、生命維持管理装置を用いた治療に関連する医療用の装置の操作(厚生労働省令で定めるもので、医師の具体的な指示を受けて行うものに限る)を業とすることができます。指示の受け方にも段階があり、第38条は、厚生労働省令で定める生命維持管理装置の操作については、医師の具体的な指示を受けなければ行ってはならないとしています。さらに第39条は、業務に当たって医師その他の医療関係者との緊密な連携を図ることを求めています。保守点検は、装置を安全に使い続けるための点検・管理であり、操作と並んで定義に明記されたもう一つの柱です。

  • 生命維持管理装置=呼吸・循環・代謝の機能を代替又は補助する装置(第2条第1項)
  • 装置の先端部の身体への接続・除去も、政令の範囲で操作に含まれる
  • 省令で定める装置の操作には医師の具体的な指示が必要(第38条)。関連する医療用装置の操作も、診療の補助として認められる範囲がある(第37条)
SECTION 03

3. 臨床検査技師の業務(要約):検体検査と生理学的検査

臨床検査技師側は要点だけを述べます。法定の業務は、人体から排出され、又は採取された検体を調べる検体検査と、厚生労働省令で定める生理学的検査の二つで、いずれも医師又は歯科医師の指示の下に行います。対象は患者の体を離れた材料と、生体の状態の計測であり、患者に接続された生命維持管理装置を操作したり、その保守点検を担ったりする立場ではありません。検査の結果は診断や治療方針の判断材料になるため、臨床工学技士が操作する装置と臨床検査技師の検査が、同じ患者の治療の中で組み合わさる場面もあります。業務の詳しい中身や受験資格の入口は、別ガイド「診療放射線技師と臨床検査技師の違い」で放射線技師との対比とあわせて整理しています。

  • 臨床検査技師の業務は検体検査と生理学的検査(医師又は歯科医師の指示の下)
  • 扱うのは体から得た材料と生体の計測で、装置の操作・保守点検は担当外
  • 詳細は別ガイド「診療放射線技師と臨床検査技師の違い」を参照
SECTION 04

4. 資格の仕組み:臨床工学技士は学びの組合せルートが複数ある

臨床工学技士になるには、臨床工学技士国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受けなければなりません(臨床工学技士法第3条)。免許は、厚生労働省に備える臨床工学技士名簿への登録によって行われます(第5条・第6条)。試験は毎年1回以上、厚生労働大臣が行い(第11条)、試験事務は指定試験機関に行わせることができる仕組みです(第17条)。

受験資格の形が、臨床工学技士の大きな特徴です。第14条は複数の入口を並べています。中心は、文部科学大臣が指定した学校又は都道府県知事が指定した臨床工学技士養成所で3年以上必要な知識及び技能を修得するルート(第1号)です。これに加えて、大学・高等専門学校等で2年以上(高等専門学校は5年)修業して厚生労働大臣の指定する科目を修めた者が養成所で1年以上修得するルート(第2号)、大学等で1年以上(高等専門学校は4年)修業して指定科目を修めた者が養成所で2年以上修得するルート(第3号)、大学(短期大学を除く)で指定科目を修めて卒業した者(第4号)も受験できます。工学系を含む大学での学びを土台に、養成所での修得を組み合わせる設計になっています。臨床検査技師側の受験資格の詳細は別ガイドに譲ります。

  • 臨床工学技士試験は毎年1回以上実施され、免許は厚生労働省の臨床工学技士名簿への登録による(第3条・第5条・第11条)
  • 受験資格は養成所3年のルートに加え、大学等で指定科目を修めた学びと養成所1〜2年を組み合わせるルート、大学で指定科目を修めて卒業するルートがある(第14条)
  • 臨床検査技師の受験資格の詳細は別ガイド「診療放射線技師と臨床検査技師の違い」を参照
SECTION 05

5. 間違えやすい点と選び方の目安

よくある誤解が「臨床工学技士は医療機器の修理・点検だけをする仕事」というものです。保守点検は法律の定義に含まれる業務の一つですが、それだけではありません。定義の中心は、医師の指示の下に行う生命維持管理装置の操作であり、装置の先端部を患者の身体へ接続・除去する行為も政令の範囲で含まれます。患者のそばで装置を動かす診療の補助が、もう一つの柱です。もう一つの混同は「指示を出すのはどちらも医師と歯科医師」という点で、臨床工学技士法の定義が挙げるのは医師のみです。歯科医師の指示の下で行う形は、臨床検査技師側の定義の書き方です。

進路の選び方は、関わりたい対象で考えると整理できます。呼吸・循環・代謝を支える装置の操作と安全な管理に関わりたい人は臨床工学技士の養成課程へ、検体の分析や生体の計測を通じて診断を支えたい人は臨床検査技師の養成課程へ進むのが、それぞれの入口です。臨床工学技士を目指す場合は、大学等で指定科目を修める学びと養成所の組合せなど複数のルートがあるため、進学先がどの受験資格につながるかを先に確認しておくことが大切です。制度の確認先は、e-Gov法令検索の臨床工学技士法(第2条・第3条・第14条・第37条・第38条)と臨床検査技師等に関する法律です。

  • 臨床工学技士は点検だけの仕事ではない。医師の指示の下での装置の操作が定義の中心
  • 定義上の指示の出し手は、臨床工学技士は医師のみ、臨床検査技師は医師又は歯科医師
  • 確認先: e-Gov「臨床工学技士法」「臨床検査技師等に関する法律」

執筆・確認情報

執筆
manapick career編集部
編集
manapick編集責任者
出典台帳の記録日
2026-10-29
確認方法
公的資料と一次情報を出典付きで整理。自動監視による資料の変化検知と、本文の正確性の確認は区別します

参照した公式情報

  • e-Gov法令検索(デジタル庁)確認日 2026-10-29/2026-10-29に条文本文を実際に開いて確認。第2条(定義)、第3条(免許)、第12条(試験は年1回以上)、第15条(受験資格)、第20条(名称の使用禁止)を確認。法律の中に細胞検査士の規定はない。
  • e-Gov法令検索(デジタル庁)確認日 2026-10-29/2026-10-29に条文本文を実際に開いて確認。第2条(生命維持管理装置は呼吸・循環・代謝の機能を代替・補助する装置。臨床工学技士は医師の指示の下にその操作及び保守点検を行う)、第3条(試験・免許)、第14条(受験資格の複数ルート)、第37条・第38条(業務の範囲と医師の具体的な指示)を確認。

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この記事の内容確認日:2026-10-29